北川進とはどんな人?学歴・経歴とMOF研究で世界を変える化学者の軌跡!

近年、化学の世界で注目を集めている研究者がいます。その名は北川進(きたがわ すすむ)氏。金属有機構造体(MOF:Metal-Organic Frameworks)の研究で世界を牽引し、2025年にはノーベル化学賞を受賞した化学者です。

本記事では、北川進氏の学歴や経歴、そして彼が切り開いたMOF研究の世界について詳しく解説します。化学の専門知識がなくても理解できるよう、わかりやすく説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

北川進の学歴と経歴:世界的化学者への道のり

出典:京都大学高等研究院

北川進氏の学歴と経歴を見ていくと、彼が世界的な化学者になるまでの道のりが見えてきます。

学歴

北川氏は京都府京都市の出身で、以下のような学歴を持っています。

  • 高校:京都市立塔南高等学校(現・京都市立開建高校)
  • 大学:京都大学工学部石油化学科(1974年卒業)
  • 大学院:京都大学大学院工学研究科 石油化学専攻
    • 修士課程(1976年修了)
    • 博士課程(1979年修了・工学博士)

経歴

北川氏の主な職歴は以下の通りです:

  • 1979年:近畿大学助手
  • 1983年:近畿大学講師
  • 1988年:近畿大学助教授
  • 1992年:東京都立大学教授
  • 1998年:京都大学大学院工学研究科教授
  • 2007年:京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)副拠点長
  • 2013年:iCeMS拠点長
  • 2017年:京都大学高等研究院特別教授

北川氏の研究分野は無機化学と配位空間の化学です。特にiCeMSでは、多孔性配位高分子(PCP)やMOFの合成と機能を中心に、ナノスケール空間の設計と制御を追究してきました。

MOF研究とは何か?北川進が切り開いた新領域

出典:三井金属

Framework)とは、北川氏が先駆的な研究を行った分野で、日本では多孔性配位高分子(PCP)とも呼ばれています。

MOFの基本構造

MOFは、以下の要素で構成されています:

  • 金属イオン(点)
  • 有機分子(配位子・棒)

これらを立体的な骨組みでつないだ「分子の建築物」が、MOFの基本構造です。この骨組みの内側には無数の微細な孔(ナノ空間)があり、ガスや分子を吸蔵したり出し入れしたりできるのが最大の特徴です。

MOFの特徴と応用可能性

MOFは、以下のような特徴を持っています:

  • 高い表面積
  • 調整可能な孔のサイズと形状
  • 化学的・物理的な性質のカスタマイズ性

これらの特徴により、MOFは以下のような分野での応用が期待されています:

  • ガス貯蔵と分離
  • 触媒作用
  • センサー技術
  • 薬物送達システム
  • 環境浄化

北川進のMOF研究がもたらすブレークスルー

出典:東京新聞

北川氏のMOF研究は、化学の世界に大きなブレークスルーをもたらしました。

フレキシブルMOFの発見

北川氏らの研究チームは、「柔らかい結晶」とも呼ばれるフレキシブルMOFを発見しました。これは、骨格が吸着分子や温度・圧力に応じて膨らんだり縮んだりする性質を持つMOFです。

この発見により、特定の分子だけを選んで吸着・放出する高い選択性を持つMOFの開発が可能になりました。

CO₂回収への応用

北川氏のMOF研究は、地球温暖化対策として注目されているCO₂回収技術にも大きな貢献をしています。

MOFの孔のサイズや内側の化学的性質を適切に設計することで、CO₂を選択的に吸着する材料の開発が可能になりました。これにより、発電所の排ガスや空気中からのCO₂回収が効率的に行えるようになる可能性が高まっています。

水資源確保への貢献

北川氏らの研究は、水資源の確保にも新たな可能性を開きました。

乾燥地の低湿度環境(相対湿度10%程度)でも水分子を効率的に取り込み、少しの加熱で放出できるMOFが開発されています。これにより、砂漠の空気から飲料水を得る技術の実現に大きく近づきました。

まとめ:北川進のMOF研究が世界に与える影響

北川進氏のMOF研究は、化学の世界に革命をもたらしただけでなく、私たちの生活や地球環境にも大きな影響を与える可能性を秘めています。

  • 環境問題への貢献:CO₂回収技術の向上により、地球温暖化対策に大きく貢献
  • 水資源問題への解決策:乾燥地域での水資源確保に新たな可能性を提供
  • 産業への応用:ガス分離や貯蔵、触媒作用など、様々な産業分野での革新的技術の基盤を提供

北川氏の研究は、「空間そのものを設計し、機能に変える」という新しい概念を化学の世界にもたらしました。

この概念は、エネルギー、環境、水、医療など、幅広い分野に応用可能であり、今後10年でさらに大きな進展が期待されています。

2025年のノーベル化学賞受賞は、北川進氏のMOF研究が世界に与えた影響の大きさを証明するものと言えるでしょう。

今後も、北川氏の研究がどのように発展し、私たちの生活や地球環境にどのような変革をもたらすのか、注目していく価値があります。

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